一時期、二〇数平方メートルのものが四〇〇〇万〜五○○○万円まで高騰して一斉にオフィス化した都心部のワンルーム中古マンションに、このところ1000万円を下回る低額な中古が流通しはじめたことから、単身居住者が増加している現象も見逃せない。この単身居住者は若年層だけではない。男女を問わず五〇歳代の熟年層、さらには七〇歳代の高齢者もみられる。一億円近い超高層中古マンションに生活する単身女性も珍しいことではない。このことはなにを意味するのであろうか。昭和三〇(一九五五)年と平成一五(二〇〇三)年を比較すると、四八年間で世帯数は二・八倍に増えているものの、一世帯あたりの平均構成員は四・九七人から二・五七人に減少している。この現象は、大正時代の初めから始まったかつての封建的な家族制度の変容、それに基づく村落共同体の解体、戦後になって急激に進行した都市への人口流入、ニューファミリーと呼ばれた新しい都市住民である核家族の台頭などの時代推移を裏付けているが、現在では核家族そのものも大きく変質してきていることを示している。三〇歳を過ぎても結婚しない女性たち、熟年層・高年層の離婚率の増加、長年連れ添った伴侶に先立たれ長い老後を一人で過ごす独居高齢者たちなど、人々の日常生活がかつての平均的な家族像から逸脱していく現象は今後も減るとは思えない。
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